エホバの証人のお葬式
教義
地球は全能の神エホバによって創造されたとされます。
そして人間が地球の動植物を愛によって管理し永遠に保たれる、とされています。また、地球を人の住む美しい所にするというエホバの目的と調和する人は生きている人も、死んだ人も、皆そこで永久に生きられるようになると信じられています。
聖書に書かれている言葉です。
「人は皆アダムとエバから不完全性を受け継いでおり、そのゆえに罪人です」(ローマ5:12)「罪の報いは死です」「罪を犯している魂―それが死ぬのである」(ローマ6:23、伝道の書9:5、エゼキエル18:4、20)
しかし人は、キリスト・イエスの贖いの犠牲により、復活の祝福にあずかることができると、されます。
イエスはこう述べられたと聖書に書かれています。
「私は復活であり、命です。私に信仰を働かせる者は、たとえ死んでも生き返るのです」ヨハネ5:28、29:11:25
エホバの証人の葬儀の意味
エホバの証人は「霊魂不滅」を信じていない為、亡くなられた方をなだめることを意図した儀式的なセレモニーは行いません。
近親者で見送るお別れ「追悼式」をしていらっしゃいます。
- 仰々しい宗教儀式は行いません。
- 儀式的な祭壇や、お焼香・玉串・献花・献灯もしません。
- 故人の遺影は作らず、思い出のスナップ写真等をご用意されたりします。
例1:信者の式
密葬にて本葬の考え式場にご遺体を安置せず、火葬にて荼毘にふされた後、別日に追悼式
集まりは、墓地や斎場で行われることもありますが、普通は、王国会館と呼ばれる建物に集まって「追悼式」を行います。
追悼式の目的は,死と復活の希望について聖書が何と述べているかを説明して遺族を慰めることです。
追悼式(約30分)
式の内容
- 故人がどんな人だったか、生前について語られます。
- その故人が抱いていた聖書の希望について話がなされます。
- 閉会は、賛美歌 と 短い祈りで終えます。
例2:夫や子が未信者の式
エホバの証人の追悼式は、”絶対”しなければならないものではありません。
夫が未信者の場合、幾つかパターンがあります。
タイプ・1 | エホバの証人の追悼式は行われないが 本人の宗教又は親族の宗教にて執り行うが、読経・焼香は退席し親族間で行う。 |
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タイプ・2 | エホバの証人は信者だけで個々に追悼集会を開く。 親族は、親族で仏式の葬儀で行う。 |
タイプ・3 | 親族は親族間で仏式の葬儀を行うが、 その後にエホバの証人の追悼式にも出席する。 |
タイプ・4 | 故人の遺言がある場合 未信者の夫・子の故人の意思を尊重した葬儀を執り行うが、 宗教儀式とお焼香・玉串・献花・献灯などの時は、退席・席を外される。 |
1日葬(約30分)
式の内容
- 故人がどんな人だったか、生前について
ライフメモリー(ビデオ)や写真のスライドにて紹介 - 親族・友人・知人が、生前の故人の方と思い出を語っていただく
- 閉会は、お花でのお別れ・親族の方によるお花入れにて出棺
- 火葬場にてお見送り、収骨は親族の方のみ
- 遺骨は親族の方等が先祖のお墓・etc
エホバの証人の方の参列は
基本、他宗教の葬儀には参列しません。
親族で行われる葬儀に、信者の方が参列する事は殆どありません。
但し、親しい友人が亡くなったわけですから、式の前に故人や残された親族に挨拶に伺うことはあるでしょう。
お香典について
厳密にいえば、エホバの証人が仏式の葬儀で渡せる香典はありません。
仏式の場合の香典の類はすべて、「亡くなった故人の霊」に対して供えるからです。
(御霊前、御香典、御香奠、菊一輪、御香華料)
エホバの証人の信者の方がお渡しできるのは「感謝」「ありがとう」とお気持ちを伝えるようにしてはいかがでしょうか。
御花料は故人への「献花」から、単なる「お飾りの花」まで幅広い意味合いがあります。
御花料を相手方にお渡ししたなら、その後それをどのように用いるかは受け取った葬家のお考えになることから、「エホバの証人」信者の良心は、この形なら受け入れられることができると考えます。
但し、「御花料」とは本来、キリスト教式に用いるものです。仏式には「御花料」を持参することは、厳密には”非常識”にも考えられます。
最後に「エホバの証人」の信者の方々に接して感じたこと
心の優しい方々で家族・友人・知人をとても大切にされる方々と感じました。
心ある方々のお別れに接し、心温まる時間を共有させていただき感謝申し上げます。